庭訓艸［庭のおしゑ艸］（異板2種）【判型】半紙本2冊。縦226粍（再板本縦222粍）。【作者】野津善平（信言ノブヨシ）作。佐藤竜序。再板本は著者の男・源蔵校訂。【年代等】安政6年6月序・刊。［大阪］著者（栄観燕処楼）蔵板。【備考】分類「教訓」。初版本と異板の再板本の2種。「慎謹を為すべきことを明かす章」「四恩を重んずべきことを明かす章」「正直を貴ぶべきことを明かす章」「職業を勤むべきことを明かす章」「争論を慎むべきことを明かす章」「家内和すべきことを明かす章」「百器(うつわもの)を敬用すべきことを明かす章」「親疎一致なるべきことを明かす章」「進退可否を決することを明かす章」「富まば則ち益(ますます)励むべきことを明かす章」の10章に分けて説いた童蒙教訓書。まず、穀物が身命の主であり、これを粗末にすることは親を捨てる不孝に等しく、天理に背けば生涯難渋するため、日頃から身を慎み、食物や財物の節倹を心掛けることを述べる。続いて、四恩のあらましと知恩・報恩、酒の戒めと人倫から外れない「正直な飲食」、若年の艱難辛苦と家業出精、争論を回避するための堪忍と謹慎、家内和合の基本となる主人の行状、日用の器財や火を大切にすべきこと、義理と実意による親戚付き合い、物事に対する熟慮と決断、富裕に従いますます家業出精すべきことなどを諭す。★原装・題簽付・状態良好。稀書（全国に所蔵数カ所（国文学研究資料館DB））。