1970年代前半頃に製造された、スイス・テクノス社製の機械式自動巻時計で、同社が誇る超鋼ケースを採用し人気を博していた、ボラゾンシリーズのスペシャル版、デラックス・ボラゾンです。当時はクォーツショック前で、テクノス・ラドー・ウォルサム のいわゆるスイス時計メーカーの御三家が、舶来の高級腕時計として日本では知名度が高く、視聴者参加型テレビ番組の優勝賞品（ペアで）の常連だった時代で、機械式時計はコストを掛けていて造りも良く、輸入総代理店（＝テクノスは平和堂貿易）の販売・サービス体制もしっかりと構築されていました。(注: 現在のテクノス社は経営母体が当時とは全く異なります。)こちらの時計は、美しい特別な7面カットのサファイヤ・クリスタル、深みのあるブラックダイアル、独特の形状で少し青み掛かったコーティングがなされた、極めてキズの付きにくい、当時の最先端の素材加工テクノロジーの結晶であるタングステン製の超綱ケースに、ゴールドの針・インデックス・竜頭など、高度成長期・1970年代の腕時計の様式美=華やかな雰囲気や手の込んだ立体的なデザイン等=が色濃く反映された、ヴィンテージ・テクノスの希少で風格ある逸品です。約50年もの月日を経てきたにしては良好なコンディションで、ケース表面の11時位置等に小さい線傷があることや、インデックスのごく一部にある僅かなくすみと、ブレスレットの通常使用による擦れ等以外、ダイアル、針、クリスタル共に綺麗な状態で、若干の見落としはあるかも知れませんが、全体としては良品の範疇に入ると思います（個人の主観）。但し裏蓋は、経年による擦れやスクラッチ、オープナー傷などがそれなりにあります。添付画像にてご判断いただいた上でのご購入をお願い致します。秒針規制付きの自動巻きムーヴメントは快調、日付け早送り機構も正常（注：20時～翌4時の間は操作厳禁)。精度については、姿勢・使用状況にも因りますが、通常で凡そ30秒～1分以内の日差に収まっています。S/S製のメッシュ・ブレスットは社外製ですが、この時計の雰囲気に合う、当時のヴィンテージ感のあるものです。写真の左手首は18.2㎝で丁度良い具合の長さです。ケースサイズは竜頭を含まず横35㎜ｘ縦39㎜です。付属品はありません。大変気に入って大事に使用してきましたが、断捨離の決断により出品します。